令和6年度介護報酬改定で新設/令和8年8月時点の情報です。
制度は改定により変わります。最終的な判断は、算定する事業所のある市町村へご確認ください。
口腔連携強化加算は、複数の告示と通知にまたがって定められています。そのため、資料を確認していくと、以下のような点で注意が必要になります。
この記事は、厚生労働省の告示・通知・リーフレットを集めて整理したものです。条文の引用には出典を明記しています。
在宅で過ごす利用者の口腔の状態を事業所の従業者が確認し、その情報を歯科医療機関と介護支援専門員に伝えることを評価する加算です。令和6年度介護報酬改定で新設されました。
この加算が新設された背景について、厚生労働省は次のように説明しています。
高齢者は歯科治療が必要である方においても、治療が行われていない現状があります。特に在宅療養者においては、治療が行われていない割合が多いと言われています(※通所サービス利用者と比較)。また、介護の現場には歯科専門職(歯科医師、歯科衛生士)が身近にいないことも多いかと思います。
利用者に近い皆さんが、利用者の口腔を見た情報を歯科専門職と介護支援専門員に伝えることを評価された加算です。
——厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」詳細版(介護保険最新情報 Vol.1344)
(出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」簡易版)
除外条件を差し引いた「実際に算定できる人数」と月額が、その場で分かります。
令和8年8月時点/令和6年度介護報酬改定に基づくこの加算は、居宅療養管理指導や口腔・栄養スクリーニング加算との併算定ができません。 利用者全員が対象になるとは限りません。既に算定している加算やサービス利用状況によって対象外となる場合があります。まずは、ご自身の事業所の利用状況を確認してください。
以下に該当する方は算定人数から除外します。複数に当てはまる方は、1回だけ数えてください。重ねて数えると、算定できる人数が実際より少なく出ます。
制度上の除外ではありませんが、算定できる人数の見込みに影響します。
処遇改善加算を算定している場合、この加算の単位数も算定基礎に含まれるため、実際の収入額は表示金額と異なる場合があります。
| 算定できる方 | 月額 | 年額 |
|---|
算定要件
1. 事業所の従業者が口腔の健康状態の評価を実施し、利用者の同意を得て、歯科医療機関および介護支援専門員に評価結果を情報提供を行った場合。
2. 歯科訪問診療料(歯科点数表区分番号C000)の算定実績がある歯科医療機関の歯科医師、または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、事業所の従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。
3. 都道府県知事(定期巡回・随時対応型訪問介護看護は市町村長)へ届出を行っていること。
算定できない場合があるもの
・口腔・栄養スクリーニング加算
・居宅療養管理指導
他の事業所であっても口腔連携強化加算を算定していれば、その利用者には算定できません。
上記のほか、算定できる月に関する細かい取扱いがあります。判断に迷う場合は、算定する事業所のある市町村にご確認ください。
評価する項目(8項目)
開口/歯の汚れ/舌の汚れ/歯肉の腫れ、出血/左右両方の奥歯でしっかりかみしめられる/むせ/ぶくぶくうがい/食物のため込み、残留
このほかに自由記載の「その他」と、「歯科医師等による口腔内等の確認の必要性(低い/高い)」の判定欄があります。
項目1〜8のいずれかに「あり」または「できない」が1つでもあれば、歯科医師等による口腔内等の確認の必要性は「高い」となります。
単位数 50単位/回・1人につき月1回まで
対象サービス 訪問介護/訪問看護※/訪問リハビリテーション※/短期入所生活介護※/短期入所療養介護※/定期巡回・随時対応型訪問介護看護(※介護予防サービスも含む)
対象者 利用者の全員
評価する職種 特定の職種に限定されておらず、事業所の従業者が実施します。介護職員、看護職員、リハビリテーション専門職等が実施できます。
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」/「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」(老高発0315第2号ほか・令和6年3月15日)/「口腔連携強化加算に係るリーフレット」(介護保険最新情報 Vol.1344)。
単価は 10円 ×(1+地域区分の上乗せ割合 × サービス種別の人件費割合)で算出した概算です。本ツールの結果は参考情報であり、実際の算定可否および請求額は、算定する事業所のある市町村(保険者)にご確認ください。
制度は改定により変更されます。本ツールは令和8年8月時点の情報に基づいています。
利用者数と、実際に算定できる人数は異なる場合があります。居宅療養管理指導や口腔・栄養スクリーニング加算などの算定状況により、対象外となる利用者がいるためです。
まずはご自身の事業所の数字を確認してください。
(※印は介護予防も含む)
(出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」詳細版・簡易版)
厚生労働省のリーフレットは、必要な体制整備を次の3ステップで示しています。
連携歯科医療機関を探す(連携歯科医療機関は何個でも可)
歯科訪問診療料の算定をしたことがある歯科医療機関が連携歯科医療機関になれます
連携歯科医療機関の歯科医師や歯科衛生士に相談できる体制を確保する
それを文書等で取り決めましょう
届出をだしましょう
(出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」詳細版)
また、条件は過去に歯科訪問診療料を算定した実績があることです。
口腔の健康状態を評価して歯科医療機関等に渡す「情報提供書」には、別紙様式6・別紙様式8・別紙様式11という3つの番号が存在します。中身は同一です。
根拠となる通知がサービス種別ごとに分かれていて、それぞれで別紙の連番が異なるためです。
厚生労働省の通知には、こう書かれています。
介護職員等は、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式6、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式11、「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式6及び「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式8等を用いて口腔の健康状態の評価を行い(後略)
——リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」(老高発0315第2号・老認発0315第2号・老老発0315第2号/令和6年3月15日)第七(P42)
情報提供書は、サービス種別によって使用する様式番号が異なります。
| 自分の事業所 | 使う様式 |
|---|---|
| 訪問介護 | 別紙様式6 |
| 訪問看護 | 別紙様式6 |
| 訪問リハビリテーション | 別紙様式6 |
| 短期入所生活介護 | 別紙様式11 |
| 短期入所療養介護 | 別紙様式11 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 別紙様式8 |
| 介護予防サービス | 別紙様式6 |
※各様式は厚生労働省が公開している様式ファイルを使用してください。様式番号をクリックすると該当ファイルを確認できます。
加算を算定するためには、体制届出の提出が必要です。
A 「「口腔連携強化加算」については、大臣基準告示第○号の○に該当する場合に、「あり」と記載させること。また、(別紙 11)「口腔連携強化加算に関する届出書」を添付させること。
出典:令和6年度介護報酬改定について|厚生労働省 「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」
※大臣基準告示の該当箇所は、サービス種別ごとに定められています。
| 自分の事業所 | 届出先 |
|---|---|
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 市町村 |
| その他の対象サービス | 都道府県(政令指定都市・中核市はその市) |
同じ加算でも、事業所によって届出先が異なります。
届出書の注記には、こう書かれています。
「歯科訪問診療料の算定の実績」とは、歯科診療報酬点数表の区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績であり、直近の算定日を記載すること。
「連携歯科医療機関」は1つ以上の記載が必要である。なお、記入欄が不足している場合には、「歯科医療機関との連携の状況」のみを追加記載した様式を別途添付しても差し支えない。
要件を満たすことが分かる根拠書類を準備し、指定権者からの求めがあった場合には、速やかに提出してください。
(出典:口腔連携強化加算に関する届出書(別紙11))
届出書には、連携歯科医療機関について歯科訪問診療料(C000)の直近の算定日を記載する欄があります。
連携を相談する際に、この項目が必要になることをあらかじめ共有しておくと、届出の準備が進めやすくなります。
Q 訪問診療をしている歯科医療機関を探すにはどうしたらいいですか。
A 例えば、医療情報ネット(ナビイ)などを活用すれば訪問診療をしている歯科医療機関を探すことができます。
——厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」よくあるご質問(別添9枚目)
医療情報ネット(ナビイ)は、厚生労働省が運営する検索サイトです。
Q 連携歯科医療機関との取り決め文書等はありますか。
A 決められた形式の文書はありません。例えば、相談可能な日時、相談方法など話し合って記載しておきましょう。書式例としては、口腔連携強化加算を含む様式(老年歯科医学会)も公開しておりますので、必要に応じてご活用ください。
——厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」よくあるご質問(別添9枚目)
リーフレットは、記載する内容の例として「相談可能な日時」「相談方法」を挙げています。
日本老年歯科医学会が「口腔管理に関する契約事項について(契約書)」を公開しています。
この契約書は、次のような構成になっています。
1つの契約書で複数の用途を兼ねる形式になっています。協力歯科医療機関の契約と口腔連携強化加算の取り決めを、別々に作成する必要はありません。
契約形式として、有償/無償を選択する欄が設けられています。
▶ 契約書の様式例を見る(出典:一般社団法人日本老年歯科医学会「口腔管理に関する契約事項について」)
Q 口腔の健康状態の評価は職種の限定はありますか。
A ありません。介護職員、看護職員、リハビリテーション専門職等皆様に実施いただけます。
出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」よくあるご質問(別添9枚目)
看護師や専門職が必須というわけではありません。
通知では、日本歯科医学会の資料を参考資料として示しています。
なお、必要に応じて口腔健康管理に係る研修等も活用し、適切な口腔の健康状態の評価の実施に務めること。介護職員については、事業所の医療従事者に相談する等の対応も検討すること。
——前掲通知 第七
口腔の健康状態を確認するため、「情報提供書」の以下の8項目を評価します。9番目の「その他」は自由記載、最後の「歯科医師等による口腔内等の確認の必要性」は判定欄なので、実際に見るのは8つです。
※1 現在、歯磨き後のうがいをしている場合に限り実施する
※2 食事の観察が可能な場合は確認する
項目1-8について「あり」または「できない」が1つでもある場合は、歯科医師等による口腔内等の確認の必要性「高い」とする。その他の項目等も参考に歯科医師等による口腔内等の確認の必要性が高いと考えられる場合は、「高い」とする。
——前掲通知 第七
例外はありません。1つでも該当すれば「高い」です。
通知には、各項目について「評価の必要性」が示されています。
1. 開口
開口が不十分及び開口拒否等は口の中の観察も困難にするとともに、口腔清掃不良となる要因である。また、開口が不十分においては要因の精査等が必要となる場合がある。
2. 歯の汚れ/3. 舌の汚れ
汚れに含まれる細菌等も含めて付着している状態である。虫歯や歯周病の原因となるだけでなく、汚れを飲み込み肺に到達すると誤嚥性肺炎の原因にもなる。
4. 歯肉の腫れ、出血
歯周病の可能性があり、歯周病は放置すると歯を失う可能性がある。また、糖尿病等の全身疾患との関連性も報告されている。
5. 左右両方の奥歯でしっかりかみしめられる
奥歯が無い場合に、食物をかみ砕く能力が低下し、食事形態等に関連があるだけでなく、窒息事故との関連も報告されている。転倒リスクとの関連性も報告されており、義歯の利用等も含めて検討が必要である。
6. むせ
摂食嚥下障害の可能性があり、食事形態等に関連があるだけでなく、入院等との関連も報告されている。唾液や食物などを誤嚥している可能性があり、摂食嚥下機能の精査や訓練等が必要な場合もある。
7. ぶくぶくうがい
口の周りの筋肉等の動きと関連しており、食事形態等に関連があるだけでなく、入院等との関連も報告されている。口腔機能の低下の可能性があるとともに、口腔衛生管理とも関連している。
8. 食物のため込み、残留
摂食嚥下障害等に関連しており、摂食嚥下機能の精査や訓練等が必要な場合もある。
(出典:前掲通知 第七)
通知は、日本歯科医学会の資料を名指しで参照するよう求めています。
評価にあたっては、「入院(所)中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の確認に関する基本的な考え方」(令和6年3月 日本歯科医学会)等の関連学会が示す口腔の評価及び管理に係る記載等も参考にされたい。
▶ 参考資料を見る
(出典:リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について)
口腔連携強化加算の理解を深めるため、以下のe-ラーニングもご覧いただけます。
令和6年度介護報酬改定 新設
「口腔連携強化加算」:制度理解・準備・評価・連携のポイントと事例解説
(出典:一般社団法人日本老年歯科医学会)
利用者全員が対象ですが、次の場合は算定できません。
(出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」詳細版)

除外要件を探すときは、単位数表(告示)ではなく別の告示を見る必要があります。
単位数表の訪問介護の条文です。
ヘ 口腔連携強化加算 50単位
注 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、電子情報処理組織を使用する方法により、都道府県知事に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定訪問介護事業所の従業者が、口腔の健康状態の評価を実施した場合において、利用者の同意を得て、歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、当該評価の結果の情報提供を行ったときは、口腔連携強化加算として、1月に1回に限り所定単位数を加算する。
出典:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)(訪問介護費 ヘ)
他の加算(認知症専門ケア加算やサービス提供体制強化加算など)には「ただし、次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては…算定しない」と、除外に関する記載がありますが、口腔連携強化加算にはありません。
除外要件は、条文中の「別に厚生労働大臣が定める基準」に定められています。一般に「大臣基準告示」と呼ばれるものです。
三の三 訪問介護費における口腔連携強化加算の基準
イ 指定訪問介護事業所の従業者が利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、診療報酬の算定方法(平成二十年厚生労働省告示第五十九号)別表第二歯科診療報酬点数表の区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士に相談できる体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。
ロ 次のいずれにも該当しないこと。
(1)他の介護サービスの事業所において、当該利用者について、栄養状態のスクリーニングを行い、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合を除き、口腔・栄養スクリーニング加算を算定していること。(2)当該利用者について、口腔の健康状態の評価の結果、居宅療養管理指導が必要であると歯科医師が判断し、初回の居宅療養管理指導を行った日の属する月を除き、指定居宅療養管理指導事業所が歯科医師又は歯科衛生士が行う居宅療養管理指導費を算定していること。(3)当該事業所以外の介護サービス事業所において、当該利用者について、口腔連携強化加算を算定していること。
出典:厚生労働大臣が定める基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第95号)(三の三)
大臣基準告示では、除外要件がサービスごとに号で定められています。
訪問介護は「三の三」、訪問看護は「九の二」、訪問リハビリテーションは「十二の二」、短期入所生活介護は「三十四の六」、短期入所療養介護は「三十九の六」、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は「四十六の二」。介護予防サービスは、それぞれの規定を準用する形になっています。
口腔・栄養スクリーニング加算は「(Ⅰ)か(Ⅱ)か」で結論が変わります。
条文は「(Ⅱ)を算定している場合を除き、口腔・栄養スクリーニング加算を算定していること」を除外条件としています。
他事業所が(Ⅰ)を算定している場合 → 算定できません
他事業所が栄養状態のスクリーニングを行い(Ⅱ)を算定している場合 → 算定できます
居宅療養管理指導は「初回の月」だけ算定できます。
歯科の居宅療養管理指導が始まると、その翌月から算定できなくなります。ただし条文は「口腔の健康状態の評価の結果、居宅療養管理指導が必要であると歯科医師が判断し」た場合を前提としています。
いずれも判断に迷う場合は、算定する事業所のある市町村にご確認ください。

Q 情報提供する歯科医療機関は連携歯科医療機関ですか。
A 連携歯科医療機関、利用者のかかりつけ歯科医等の両方もしくはいずれかです。利用者やその家族、介護支援専門員の意向なども踏まえて検討してみてください。
出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」よくあるご質問(別添9枚目)
連携歯科医療機関とかかりつけ歯科医の両方に情報提供することも、いずれか一方に情報提供することもできます。
あわせて、介護支援専門員(ケアマネジャー)にも情報提供が必要です。
Q 歯科医療機関と介護支援専門員に情報共有は郵送ですか。
A 郵送には限定しておりません。情報の機密性には注意し、Eメールやファックス等もご活用いただけます。
出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」よくあるご質問(別添9枚目)
個人の健康情報を扱うため、送信先の確認など、機密性への配慮が必要です。
通知を受け取った歯科医療機関は、利用者の状況に応じて対応を検討します。
確認の必要性が「高い」場合
情報提供した介護事業所及び当該利用者を担当する介護支援専門員等に利用者の状況を確認し、歯科診療の必要性等について検討する。
確認の必要性が「低い」場合
基本情報も含めて確認し、不明点等がある場合や、追加で必要な情報がある場合は、情報提供した介護事業所及び当該利用者を担当する介護支援専門員等に問い合わせる等の必要な対応を実施する。
——前掲通知 第七
一方通行ではありません。必要性が高ければ、歯科医療機関側から確認の連絡が入る建て付けになっています。
また、継続的な口腔の健康状態の評価を実施することにより、利用者の口腔の健康状態の向上に努めること。
——前掲通知 第七
月1回の算定が可能であり、継続的に利用者の口腔状態を確認するための仕組みです。
厚生労働省のリーフレットは、事業所・従業者・利用者それぞれのメリットを挙げています。なかでも事業所の従業者のメリットは見落とされがちです。
従業者にとってのメリット
口の中を確認する方法が身につきます。
困った時に歯科医師や歯科衛生士へ相談しやすくなります。
加算取得の目的は収入だけではありません。日々利用者を支える従業者が口腔状態を見る視点を持ち、歯科医療機関と連携できることが大きな意味になります。
施設スタッフの口腔管理に関するスキルの向上は、認知症要介護高齢者の口腔衛生状態を改善させる効果【Manchery N, 2020.】や、施設入居者全体の口腔衛生状態と義歯の状態を改善させる効果【Weintaub JA, 2018.】があるとされています。
つまり、評価を通じて従業者の口腔管理への理解が深まり、利用者への適切な支援につながります。
全国30以上の介護保険施設入所者の縦断調査の結果、歯科衛生士による口腔衛生管理を受けている者の方が、肺炎の発症が少ないという結果があります【令和3年度老人保健健康増進等事業「施設系サービス利用者等の口腔衛生等の管理に関する調査研究事業」(一般社団法人 日本老年歯科医学会)】。さらに口腔衛生管理に嚥下機能訓練を追加して実施すると、肺炎発症を抑制することができるとされています。
要介護高齢者で、奥歯のかみ合わせを失っている方は、ADLの低下と認知機能の低下【Takeuchi K, 2015, 2016.】、嚥下障害の発症【Okabe Y, 2017.】、発熱リスクの増加【Izumi M, 2022.】などと関わっているとされています。
(出典:厚生労働省「口腔連携強化加算に係るリーフレット」詳細版)
訪問系・短期入所系ではいま「加算」ですが、介護保険施設では、口腔衛生管理体制の整備が令和6年4月からすでに義務化されています。
経緯です。
義務化された内容は、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士による介護職員への技術的助言・指導(年2回以上)、口腔衛生管理体制計画の作成、そして入所者ごとに月1回程度の口腔状態の評価です。
そして、施設で使う評価様式の項目は、訪問系の口腔連携強化加算で使う項目と同一です。項目名も評価基準の文言も一致しています。
訪問系・短期入所系は加算(任意)、施設系は運営基準上の義務。使用する評価項目は同一。以上が、令和8年8月時点での制度上の位置づけです。
介護報酬は3年ごとに改定され、次の改定は令和9年度(2027年4月)が予定されています。
なお、令和8年度にも改定(臨時改定)がありましたが、内容は処遇改善加算の対象拡大と食費基準額の見直しが中心で、口腔連携強化加算の単位数や算定要件は変更されていません。
この記事は改定のたびに見直し、更新履歴に反映します。
本記事は令和8年8月時点で公表されている厚生労働省の資料等をもとに作成しています。制度は改定により変更されます。算定の可否および請求額の最終的な判断は、算定する事業所のある市町村(保険者)および指定権者にご確認ください。
本記事の内容および算定シミュレーションの結果は参考情報であり、算定を保証するものではありません。